空耳人生

このブログは2020年6月tsuyoshiniwa.com/blogに引越し予定です

海外経験豊富な日本人に習う英語「和訳せずに英語を読む方法」

英語で考え英語で話すというと、とても高等技術な気がしますが、英語圏の人は常に英語で考えているわけですし、現地の子供は感心するぐらい上手に英語を話していますよね。

私がよく思うに、難しいと感じるのは「翻訳」だと思うのです。日本語と違い、英語では主語、述語、目的語の順に文を構成しますから、和文を英訳したり、その逆の英文和訳をするときは、常に文章の後ろから訳す必要が出てきます。長文になればなるほど遠いところから訳さなければならず、一番頭に戻ってくるまで訳し終わらないのでとても頭を使います。日本人が感じる英語学習の大きな壁の一つは、「構造の違う二つの言語を行ったり来たりする面倒さ」なのではないでしょうか?

もし、文章の頭から順に読んで行ってその内容が分かるのであれば、長い文章を丸ごと覚えなくても良いわけですから、長文に対する苦手意識も和らぐと思います。

そこで今回は、私が英語を読む時に日本語に訳さずに理解する方法をご紹介します。勿論、私の頭の中で何が起きているかを説明するために、今回は日本語訳も添えますが、普段は日本語部分は「日本語で考えているのではなく英語のまま吸収している」と思ってください。

まず、次のニュース記事の冒頭部分をざっと眺めてみてください。きちんと読まなくても大丈夫です。

The South awoke on Wednesday to a two-part Arctic mess. First came a thin blanket of snow and ice, and then came the below-zero wind chills.

The snowfall sabotaged morning rush hour even before it began, sending cars crashing into each other on major thoroughfares throughout the region. Officials urged people to stay off the slick roads if possible, and to bundle up and wear layers of clothing if they ventured outside.

【出展】https://apnews.com/33e177b7969b45128e70b58d989cdd1d

では、上の文章を前から少しずつ読んでいきましょう。こんな感じになります。(カッコ内は私の頭の中を敢えて日本語訳したものです。実際には考えていません。)

The South awoke on Wednesday

(南部は水曜日目覚めた)

…to a two-part Arctic mess.

(2つのパートからなる北極的な惨状に)

The South awoke on Wednesday to a two-part Arctic mess.

(南部は水曜日、北極の厳しさを思わせる二つの出来事に目覚めた)

First came 

(最初にやってきたのは)

First came a thin blanket

(最初にやってきたのは一枚の薄い毛布)

First came a thin blanket of snow and ice,

(最初にやってきたのは雪と氷の薄い絨毯)

and then came

(そして次にやってきたのは)

the below-zero wind chills.

(零度にも満たない寒波である)

The snowfall sabotaged morning rush hour 

(降雪は朝のラッシュを妨害した)

even before it began,

(それよりも前に始まった)

The snowfall sabotaged morning rush hour even before it began,

(降雪はそれが始まる前の段階から既に朝のラッシュを妨害した=まだ雪が降りだす前から朝のラッシュは混乱した)

The snowfall sabotaged morning rush hour even before it began, sending cars

(まだ雪が降りだす前から朝のラッシュは混乱し、何台もの車を送り込んだ)

The snowfall sabotaged morning rush hour even before it began, sending cars crashing into each other 

(まだ雪が降りだす前から朝のラッシュは混乱し、何台もの車を互いに衝突へと送り込んだ=何台もの車が衝突事故を起こした)

The snowfall sabotaged morning rush hour even before it began, sending cars crashing into each other on major thoroughfares 

(まだ雪が降りだす前から朝のラッシュは混乱し、何台もの車が大きなthoroughfaresで衝突事故を起こした)

(ここでthoroughfaresの意味を辞書を引くと、大通りとあるので)

(まだ雪が降りだす前から朝のラッシュは混乱し、何台もの車が主要な大通りで衝突事故を起こした)

The snowfall sabotaged morning rush hour even before it began, sending cars crashing into each other on major thoroughfares throughout the region.

(まだ雪が降りだす前から朝のラッシュは混乱し、全地域に渡って何台もの車が主要な大通りで衝突事故を起こした)

Officials urged people 

(関係者は人々に強く求めた)

Officials urged people to stay off the slick roads

(政府関係者は人々に滑りやすい道を避けるよう強く求めた)

Officials urged people to stay off the slick roads if possible,

(政府関係者は人々にできるだけ滑りやすい道を避けるよう強く求めた)

and to bundle up 

(そしてbundle up すること)

(bundle up = dress warmly)

(そして暖かい格好をすること)

and wear layers of clothing

(そして何枚もの服を重ね着する)

if they ventured outside.

(もし外へventuredしたときは)

and to bundle up and wear layers of clothing if they ventured outside.

(もし外出する場合には重ね着して十分防寒するように)

Officials urged people to stay off the slick roads if possible, and to bundle up and wear layers of clothing if they ventured outside.

(政府関係者は人々にできるだけ滑りやすい道を避けること、そしてもし外出する場合には重ね着して十分防寒することを強く求めた)

となります。

話の内容は大体わかりましたか?

では、初めからもう一度。今度は日本語訳を書きませんが、部分部分の意味を、和訳しなくても何となく分かれば次に進んでください。

The South awoke on Wednesday
(分かりましたか?)
…to a two-part Arctic mess.
(分かりましたか?)
First came a thin blanket
(分かりましたか?)
a thin blanket of snow and ice,
(分かりましたか?)
and then came
(分かりましたか?)
the below-zero wind chills.
(分かりましたか?)
The snowfall sabotaged morning rush hour
(分かりましたか?)
even before it began,
(分かりましたか?)
sending cars
(分かりましたか?)

sending cars crashing into each other
(分かりましたか?)
on major thoroughfares
(分かりましたか?)
throughout the region.

(分かりましたか?)
Officials urged people
(分かりましたか?) 

to stay off the slick roads

(分かりましたか?)
if possible,
(分かりましたか?)
and

(分かりましたか?)

to bundle up

(分かりましたか?)
and

(分かりましたか?)

wear layers of clothing

(分かりましたか?)
if they ventured outside.
(分かりましたか?)
もし分からなかった場合は、もう一度最初から日本語訳を読んで、英単語の意味ではなく、話の内容を理解してください。そしてそれができたら、今度は、読み進む際に、頭の中で日本語にするのではなく、話の内容がわかったら、心の中でOKとだけ呟いて次に進みましょう。

英語では主語、述語、目的語と後ろに進むに従って、話の詳細が明らかになるようになっています。ですから、最初は大雑把な話が分かればOKなのです。詳しい事情は後から付け加わります。最初から意気込んで全部理解してやろうと思わないのが上手くいく秘訣です。

オマケ。

最初の例でカッコ内の日本語が、文が長くなるごとに変化して行ったことにお気づきになりましたか?これは、英文を読む時にいちいち日本語として意味の通った文章にしようとすると、文が長く複雑になる度に、文章を全部考え直さなければならなくなるということです。

こんな大変な作業を、英語を読み書きする度にやっていたら頭が疲れてしまいますよね。なぜこんなに疲れるかと言えば「英語を常に日本語で考えているから」なのです。英語を英語で考えて操れればもっと楽なのですから、翻訳はやめてしまいましょう!

勿論「英語で考える」と聞くと、「私のレベルじゃとてもとても…」と誰もが最初は尻込みします。でも、例えば誰にも説明する必要がなくて、自分さえ理解できれは良いのであれば、読んだ英文をいちいち完璧な和文にする必要はないですよね?だったらそれは和訳しないで「こういうシチュエーションの時はこうやって言うんだ!」とそのまま覚えてしまいましょう。すると、今度、自分が英作文する時にその覚えていた表現をそのまま使えてしまいます。

こうやって少しずつ「翻訳しないで英文を読む」「翻訳しないで英文を書く」ようにしていくことで、英語で考えることがいつのまにか当たり前になります。英語で考えるのは「大変」ではなくて、「楽チン」なのです。翻訳する方がよっぽど重労働ですから、早速今日からやめてしまいましょう!

宣伝。
Skypeで英語を教えます。本職はジャズミュージシャンとコンピューター・プログラマーなのですが、英語も教えています。きっかけはニューヨークに住んでいた時、当時、日本人相手のパソコン相談をやっていたのですが、とあるお客さんの問題解決でお宅を訪問した時、「これはインターネットプロバイダーの問題なので、私が代わりに問い合わせますね」と、私がお客さんに代わってサポートセンターに電話して、機械の交換などの手配などを終えて電話を切った時、「英語ペラペラですね!僕の英語の先生になってくれませんか?」と頼まれたのが始まりでした。その方は当時、日本の学校で教わった英語では満足できずニューヨークまでやってきて語学学校に通っていたのですが、アメリカ人の先生が何を言っているか全然聞き取れないと困り果てていました。しかし、私が約一年半指導した結果、彼は帰国後外語短大に見事合格。卒業後はヨーロッパ各国を一人で旅することもできるようになりました。
私の教える英語は、実践的かつ論理的です。日本の英語教育は所詮丸暗記で、入試や資格取得には役立つでしょうが会話は実践できません。ネイティブスピーカーの講師陣を謳い文句にしている英会話教室では、先生が日本語も流暢なバイリンガルでなければ、文化的背景も含めた高等な質問はできません。そのどちらにも満足できなかったあなたのお役にきっと立てると思います。まずはご相談ください。
あ、ちなみにニューヨーク在住歴12年です。

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