空耳人生

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ソウル、インチョン空港のトランジットホテルを使ってみた

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東京からニューヨークまでの航空券を探していたところ、ソウルのインチョン空港経由がとても安かったので使ってみました。2019/7/28成田発JFK行片道直行便の値段はアメリカン航空で1,500ドル。これが同日成田発インチョン経由JFK行きのアシアナ航空だと片道888ドル。安!

 

勿論、安いのには訳がありました。出発から到着まで29時間もかかるのです。インチョンでの乗り継ぎ時間は12時間もあり、直行便より15時間も長い。なぜか。私はこれはわざと長く設定しているのだと思います。実は以前にも同空港を使ったことがあるのですが、ターミナルはさながらショッピングモールのようになっていました。乗り換え客により多くのお金を落として貰う為に滞在時間をわざと長くしているのでしょう。

 

ちなみに私が前回利用したのは2009年で、乗り換え時間は13時間でした。その時私は「まんまと乗せられてたまるか」と無料休憩スペースに陣取ってひたすら寝ようとしたのですが、周囲を絶えず人が行き来していた上、リクライニングシートは寝返りが打てず腰はどんどん痛くなるしで、殆ど眠れなかった苦い思い出があります。12時間もあるのだから観光すればという話もありますが、夜10時着の出発が翌朝10時発だったので今回は大人しくホテルを取りました。

 

ホテルの正式名称は「Incheon Airport Transit Hotel (Terminal 1)」。到着便も出発便も第1ターミナルだったので迷わずここを予約しましたが、ターミナル移動がある場合は恐らく出発便側のターミナルホテルを取るのが正解だと思います(ご自身の責任でお願いします)。第2ターミナルには当然「Incheon Airport Transit Hotel (Terminal )」というホテルがあり、ターミナルの番号以外は同一名、紹介写真も酷似しているので予約間違いにはくれぐれもご注意ください。

 

Expediaアプリを使って予約した部屋はEast Standard Single$100。予約後早速ホテルからメッセージが入りました。「到着の日時と便名を教えろ」という内容の他、ホテルまでの行き方とチェックインの注意事項が英語で書かれていました。注意事項としては23:30を過ぎるとチェックイン出来ないということでしたが、飛行機は22:00着予定なので心配はしませんでした。しかし、予約サイトにも必ず連絡しろと強調してあったのできちんと到着日時と便名は連絡しました。それに対する返答はありませんでした。

 

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で、利用日当日。

 

飛行機がインチョン空港に着陸してからもう一度案内を読み返しました。「到着したら11番ゲートのそばにあるエスカレーターで4階に行け」とあります。早速11番ゲートに向かったのですが人気がなく真っ暗で、しかもそこにいた一人の係員に遮られてしまいました。ここから上には行けない、まず入国しろと。ホテルからの指示で「入国はするな」と書かれていたことも言いましたが理解してもらえませんでした。11番ゲートより先には入国審査とトランジット用セキュリティーしかありません。入国があり得ないことは分かっていましたが、トランジットの方も目の前まで行ってから通過するかどうかためらいました。ホテルからの指示に書かれていなかったからです。そういやホテルってトランジット前に泊まるもの、トランジット後?と思ってしまったのです。セキュリティは一旦通過したら後戻りできないので間違って通過することは避けたかったのです。

 

そこで、別の空港職員にも訊いてみようとしたのですが、夜だったせいか一人しか職員が立っておらず、その職員は英語が全く喋れませんでした。とって引き返すと、後からアシアナのCA達がやってきたので彼女たちにも助けを求めましたが、なんと全員英語ダメですと手を大きく横に振られてしまいました(国際線のクルーなのに)

 

そんなこんなで私は20分以上ロビーをうろうろしてしまいました。そして、もう一度だけ11番ゲートに行ってみることにしました。時間が経ったので今度は誰も居なくなっているのではないかと期待したのです。しかし、戻ってみると先ほどの女性職員はまだいてやはり通してくれません。通れない、入国しろと繰り返す女性。いや、だから4階に行かなくちゃ行けないんだってって説明すると「ここは2階だから先ず入国してから3階に行きなさい」と初めて新しい情報を得ることができました。

 

あ、ここ2階なの?

 

それでようやく繋がりました。この女性の「入国しろ」という指示は明らかに間違っているが「2階」という情報はおそらく正しい。そして、ホテルからの指示では「3階からエスカレーターで4階に行け」とありましたが、そこには「まず3階に行け」という指示が欠けていたのです。

 

そこで私はトランジット用セキュリティーに向かい、セキュリティー通過後どうなっているかを覗いてみました。荷物検査の向こうにはガラスの扉、そしてその向こうに上りエスカレーターがあるではないですか。やっと確信を持ってホテルにたどり着けることが分かったのでこのセキュリティーを通過しました。時刻は23時を回っていましたがチェックイン期限には間に合いそうです。

 

果たして3階に上がってみると、そここそ私の記憶していたまるでショッピングモールのような華やかな空間でした。天井の高さもさっきまでの殺風景な到着ロビーとは雲泥の差。なぜそこに気づかなかったのかという思いはよぎりましたが、旅の失敗は多くの場合結果論でしかありません。さっさと忘れて4階へ上がるエスカレーターを探しだし、あとはすんなりホテルにチェックインしました。

 

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$100の価値がある部屋かどうかは意見が分かれると思いましたが、Wi-Fiは空港のものが十分な速度で繋がりましたし(部屋によるかもですが)、シャワー、洗面所、トイレ、ベッドは清潔でしたし、窓はありませんでしたが意外なほど静かだったのと寝る以外にすることもなかったので十分だったと思います。

 

ちなみに朝食はビュッフェスタイルで食べ放題でした。給仕の数が足りておらず、客がみな好き勝手に食べ物を取ってきて勝手に着席して食べ終わったら勝手に立ち去る感じ。部屋番号も訊かれなかったし、フロントのすぐ横なのでふらっと入ってきて泊まり客を装ってタダ飯を食うことすら可能な雰囲気(犯罪ですから止めましょう)。たかが空港のホテルの食堂にMarinaラウンジという気取った名前が付いていたのが違和感でしたが、そういえば、Tous les joursというパン屋も、Paris Baguetteというケーキ屋も、Cafe Beneというコーヒー屋も韓国系のチェーン。西洋かぶれは日本だけではないということを思い出しました。

 

しっかりとしたベッドで十分な休息をとったおかげでインチョン空港からJFKまでは疲れをあまり感じませんでした。そういう意味では今回の韓国経由でのNY移動は良い選択だったと思います。但し、テナーサックスを機内に持ち込ませてくれず強制的に預けさせられた上「壊れても責任は追求しません」という誓約書まで書かされ、そして結果的に1つのキーが曲がってしまった点ではアシアナ航空万歳とはいきませんでしたので、ミュージシャンの方はご注意を。

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